誰にとってのいいもの?
個人経営のお店のオーナーさんとお話すると割と多い意見が
「これは〇〇でとってもいい商品なんですよ」
「こんなにいいものだからきっとお客様にも喜んで購入してもらえますよ」
など
取り扱っているものがとてもいいものという意見を言われます。
確かに高級な素材を使って作ったものは
素材自体には価値があるのかもしれません。
ただ、飲食店では
仕入れた食材をそのまま販売するわけではなく
調理したりおしゃれなお皿にきれいに盛り付けて
それを提供したりなどの
「付加価値」
も当然販売価格に含まれるわけです。
他にも店内の雰囲気だったり
気の利いたサービスだったり
付加価値にはいろいろなものがあります。
いいものですよという話を聞いて思うのが
「あなたはこんなにいいと思ってるかもしれないが他の人にとってはどうなの?」
いいものなのかもしれませんが
肝心なのはそのいいモノの価値をお客様が感じているのかということです。
例えば私たちが友達と食事会をしたり
大切な人との特別な食事の時間を過ごすとき
お店を決めるときに
・個室になってるから〇〇(店)にしよう
とか
・雰囲気がいいから〇〇(店)にしよう
とか
・料理がおしゃれだから〇〇(店)に行こう
とか
他にもお店を選ぶ条件は
いろいろとあるかもしれません。
でも
「食材がいいから〇〇(店)に行こう」
という選び方はしないと思います。
他にも仕事の合間で手早く済ませたい時には
・注文してから料理が出るまでが早いから〇〇(店)に行こう
とか
・一人だから安く済ませよう
などというように
料理や提供されるまでの時間が選ぶ基準になることは多いと思います。
ただいろいろな料理を提供しているお店は
食材が選ぶ基準になることはあまりないと思います。
食材が選ばれるお店というのは
「専門店」です。
例えば
・ステーキ専門のお店
・ふぐ専門店
などなどその物自体を食べたいと思う人には
専門店は選ばれる対象になります。
肝心なのはお客様が
「何を欲しいと思う」のか
また、
「欲しいと思っていてもその金額で手に入れる価値があると感じれるか」
ということを意識しないと
ただいいものだからをアピールするのは
自己満足の押し売りです(笑)
まずお客様に選んでいただけるお店になるには
お客様がその価値を十分に理解して
欲しいと思ってもらうことが大切です。
本当にいいものでおススメしたいと思うのであれば
まずは価値を十分に理解してもらうということが必要になります。
そのためにも自分のお店は
何を売りにするのかを明確にする必要があります。
・食事を提供するまでの早さを売りにするのか
・ゆったりとした時間を過ごせる空間を売りにするのか
・特化した専門店ということを売りにするのか
など他にもいろいろとあると思いますが
お店の売りを明確にして
その売りを十分に宣伝する必要があります。
どんな人に来てほしいのか
お店の売りが明確になると
どんな人に来てほしいのかということが明確になります。
・お子様連れの家族
・仕事の合間のサラリーマン
他にも
・お酒を飲んでくれる女子会
・時間に余裕のある人にランチ
専門店では
・ハンバーグを食べたい人
など来てほしい人が明確になれば
その人に来てもらうための
メニューやお店づくり、宣伝なども明確になってきます。
お客様が減少しているお店にありがちですが
少しでも売り上げをあげようと
いろいろなメニューを増やしてみたり
割引クーポンを大量に発行してみたり
焦りから迷走してしまって
結局、何屋さんなのか、
どういうお店なのかがお客様から見てわからなくなったり
安売りで客単価を下げたり
結局お店にとっていい方向にいきません。
また、迷走し始めると
常連のお客様も離れていってしまうこともあります。
「いいもの」を準備するのではなく
「誰に何を」をしっかり準備するのが大切なことではないでしょうか。
今、改めてもう一度
自分のお店の売りや
誰に何を購入してほしいのかということを
見直してみてはいかかですか。